ヨハネスタール(Johannesthal)地区の西通り(Weststr.)に沿って建つ2階建ての低層住宅群です。ヨハネスタールは旧東ベルリンで、東ベルリンの西側に位置します。。かってベルリンの壁が存在したときには壁の反対側が西ベルリンのノイケルン地区でした。最寄の駅は高架鉄道(S-Bahn)のシェーネヴァイデ(Schoneweide)駅です。しかし、この駅から現地に徒歩で行くには相当の時間がかかります。このような土地に住宅を建設したのも田園都市構想に基づくものであったのでしょう。公共交通機関で現地を訪問するにはベルリン市営バスで行くのが良いと思います。GEHAGが1925年から27年にかけて建設し、個人の所有になっています。ブルーノ・タウトの作品は44世帯あり、2世帯住宅、連続住宅からなっています。第二次世界大戦でいくつかの住宅が破壊されました。1995年に記念建築物保護法に基づく改修が行われました。この住宅群はブルーノ・タウトが1919年から始めていた小規模住宅群の最後の作品とも言われています。ブルーノ・タウトはGEHAGの技師としてヨハネスタールの仕事を行い、1925年〜1927年に工事が行われました。後世これはタウトの建築家としての前半期最後の作品とも言われるようになりました。

西通り(Weststr.)11番、12番の住宅を示します。調査を行ったのが2009年のイースターの祭りの最中でどの住宅にも卵がつるされ、キリストの復活を祝っていました。

西通り(Weststr.)1番の住宅です。建物にクリンカータイルで帯をつけ、集合住宅という大量生産により安価に建設をしたのですが、住宅ごとに個性を出すことにタウトは配慮しました。

西通り(Weststr.)の連続住宅です。決して高層住宅ではなく2階建てであります。

西通り(Weststr.)の連続住宅の裏の庭です。住宅は南を向いていますが、後になって付設の温室が設けられた様子がわかります。付設の温室はパッシブの太陽熱利用で重要な手法ですが、ドイツではこれを冬の庭(Wintergarten)と呼んでいます。
posted by 田中の住居学 at 00:00|
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建築家ブルーノ・タウト
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